オフィスや事務所の管理をしている方や飲食店の経営者の方で、「事務所・店舗の清掃を業者に頼みたいが、清掃会社とゴミ回収会社のどちらに依頼すればいいのだろう?」という疑問をお持ちの方は多くいるのではないでしょうか。ここでは、それぞれの違いについてお伝えします。それぞれの特徴を知ったうえで使い分けてみてください。
清掃会社とゴミ回収会社は似ているけど違う
清掃会社とゴミ回収会社は一見するととても似ていますが「対応できる範囲」という点では大きな違いがあります。具体的には、ゴミ出し業務の内容が異なります。清掃会社に依頼できる業務内容は「ゴミ箱にたまったゴミの収集」と「ゴミ集積所への運搬」です。一方で、ゴミ収集業者に依頼できる仕事内容は「一般廃棄物の回収処分」と「産業廃棄物の回収処分」になります。
オフィスや事務所のお掃除は、従業員に任せると人件費がかかってしまううえ、効率もよくないため、業者に依頼しようとされる方も多いでしょう。飲食店舗などの場合、業務で発生するゴミの量が多いため、ゴミ回収だけでも従業員の大きな負担になります。この「清掃の負担」に適切に対応するため、清掃会社かゴミ回収会社に依頼する際には、それぞれの特徴を知った上で使い分けることが大切です。以下で、「清掃会社」と「ゴミ回収会社」に章を分けて、それぞれの業者のより具体的な作業内容についてお伝えします。
清掃会社に頼めること
あらためて、清掃会社に依頼できる業務内容は「ゴミ箱にたまったゴミの収集」と「ゴミ集積所への運搬」の2つです。清掃会社には、「日常的に出るゴミをまとめてゴミ収集所に持っていくという業務」を任せることができます。あくまで収集所にまとめて持っていってもらえるだけで、「回収まではしてくれない」という点には注意が必要です。
清掃会社はデスク周辺などに設置されているゴミ箱に溜まったものを収集し、集積所へ運ぶのが主な業務になるため、大きなゴミ(一般廃棄物や産業廃棄物など)の対応をお願いすることはできません。オフィスや店舗、事務所などは利用者が多いため、小さなゴミでもすぐに溜まってしまうはずです。そのようなゴミを清掃会社が日常清掃で収集し、処分します。そのためオフィスや事務所などを管理している方は、清掃会社に仕事を依頼することが多くなるでしょう。
ゴミ回収会社に頼めること
一方、ゴミ収集業者に依頼できる仕事内容は「一般廃棄物の回収処分」と「産業廃棄物の回収処分」の2つです。ゴミ回収業者は、一般廃棄物や産業廃棄物を回収して処分することが可能です。「一般廃棄物」は、たとえば発泡スチロールや紙ゴミ、野菜のクズ、残飯などです。飲食店ではこのようなゴミが出ることが多いでしょう。それだけでなく、「一般廃棄物」にはソファやデスク、本棚、椅子などの家具も含まれます。「事務所にずっとあるソファ、もう使ってないから処分したいけどどこに頼めばいいかわからない」というような場合には、ゴミ回収業者に回収をお願いする必要があります。
ただ、事務所で使っている家具は簡単に捨てることができず、一般廃棄物収集運搬業の許可を持っている業者しか引き取ることができない点には注意してください。「産業廃棄物」は、金属やプラスチック製のものです。たとえば、捨てにくいロッカーやパーテーションなどを引き取ってくれます。金属製のロッカーやパーテーションなどは重量もあるので、「なかなか捨てられず邪魔になってしまっている」というケースもよく見られます。そういった場合にも、ゴミ回収業者が対応してくれます。
一般廃棄物だけでなく産業廃棄物を扱う際にも、産業廃棄物収集運搬業の許可が必要になるなど、「一般廃棄物や産業廃棄物は市町村長や都道府県知事、政令市長の許可を得なければ処分できない」という決まりがあるため、清掃会社では対応できません。不要になったオフィス家具などを捨てる際は、依頼先を間違えずに依頼するよう注意しておきましょう。
このように、同じ「ゴミを回収する」という業務でも、「清掃会社」と「ゴミ回収会社」では業務内容に大きな違いがあります。おおまかに、オフィスや事務所などのお掃除は清掃会社に、オフィス家具や機具などの捨てにくいものはゴミ回収業者に依頼する、と覚えておくことをおすすめします。
ここまで、「清掃会社とゴミ回収会社の業務の違い」「清掃会社に頼めること」「ゴミ回収会社に頼めること」についてお伝えしました。オフィスや店舗などの管理をしていると、「このゴミの処理はどこに依頼すればいいのだろう?」という状況が発生することがあると思います。この記事でお伝えした情報を参考に、どこに依頼するかを検討していただければ幸いです。